2017.7.15

身近な場所の知らない顔を写し出す。吉田志穂の個展「砂の下の鯨」

ウェブ上に存在する様々な画像と自ら撮影した写真を取り混ぜた作品を制作している吉田志穂が、南青山のhpgrp GALLERY TOKYOで個展を開催する。会期は7月14日〜29日。

砂の下の鯨_01 2017 lambda print © Shiho Yoshida, Courtesy of Yumiko Chiba Associates
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 吉田志穂は1992年千葉県生まれ。2014年に「第11回 写真1-WALL」展でグランプリを受賞、今年6月には「第11回 shiseido art egg」展(資生堂ギャラリー)で展示を行うなど、いま注目を集める若手写真家のひとりだ。

 吉田は、ウェブ上に存在する多くのイメージのなかから撮影地を選び、実際に現地に赴いて撮影を行う。そこで撮影した写真に、その土地にまつわるニュース映像などの画像を重ね合わせ、重層的な新たなイメージを構築していく。

 本展で展示される「砂の下の鯨」は、吉田の生まれ育った土地にある海岸で撮影された作品。吉田は、航空写真をきっかけに、そこに座礁した鯨が骨格標本づくりのために埋められていることを知る。よく知っているはずの場所がひとつの出来事によりまったく知らない場所に変化していく実感とともに、砂の下の目に見えない鯨に思いを馳せ、その姿を写真で表現する。

砂の下の鯨_16 2017 lambda print © Shiho Yoshida, Courtesy of Yumiko Chiba Associates