2016.8.5

世界の美術市場、2016年上半期は中国がシェアトップに

美術品価格と美術品索引で世界をリードするデータバンク「Artprice」は2016年上半期の世界美術品市場報告を発表。米英が数字を下げるなか、中国が世界シェアトップとなった。

Artprice China DR (PRNewsFoto/Artprice.com)

 Artpriceは3000万件以上の索引と62万5000人を超えるアーティストを対象にしたオークション・データを所有しているが、中国の市場調査は同国の提携組織、Artron Group、AMMA(Art Market Monitor by Artron)と協力して行われた。中国本土ではセカンダリーマーケット市場は22%減少、またオークションの取引非成立率は64%と高い数字を示しているものの、香港が上半期に10%の成長を見せ、同国の牽引役となったとみられる。香港はアジア地域最大のアートフェアである「アート・バーゼル香港」を有するほか、2019年には新たな美術館「M+」の開館が予定されており、今後ますますアジアのアートハブとしての存在感を高めていきそうだ。

 なお世界シェアで中国に続いたのはアメリカの約17億4885万ドル(約1767.5億円)(26.8%)、イギリスの約13億9941万ドル(約1414.4億円)(21.4%)となっており、上位3か国で全マーケットの83.7%を占める。日本は第9位で4566万3657ドル(約46.1億円)(0.7%)だった。

 またアーティスト別ではパブロ・ピカソが取引点数1718点(1億9633万8239ドル、約198.4億円)でトップ。次いで張大千の286点(1億8079万9659ドル、約182.7億円)、 吴冠中の74点(1億264万3774ドル、約127億円)、ジャン=ミシェル・バスキアの41点(1億172万6388ドル、約102.8億円)となった。