2017.2.2

革新的な日本画家・加山又造の
生誕90年記念展が日本橋髙島屋で

戦後の現代日本画を代表する作家、加山又造。生誕90年を記念し、作家の軌跡をたどる展覧会が、日本橋髙島屋で2月22日より開催される。

加山又造 月と縞馬 1954 紙本彩色 個人蔵

 京都・西陣の和装図案を生業とする家に生まれた加山又造(1927-2004)は、幼少時より描くことに親しみ才能を発揮し、東京美術学校(現東京藝術大学)を卒業。終戦直後の混乱と伝統絵画の危機に直面しながら、ラスコーの洞窟壁画、ブリューゲル、ルソー、ピカソをはじめとする西洋のさまざまな絵画に啓発されつつ独自の表現へと発展させ、戦後日本画の革新を担う旗手として活躍した。

 加山は、日本画の伝統的な意匠や様式を鋭いセンスで現代に甦らせ、華麗な装飾美による屏風絵ばかりでなく裸婦画にも挑戦。その後、水墨画、陶器や着物の絵付けなども取り組み、2003年には文化勲章を受章した。

 本展では、初期から晩年に至る絵画、陶器、着物の作品約70点を公開。展示は「動物―西欧との対峙」「伝統の発見」「生命賛歌」「伝統への回帰」「工芸」の5章で構成される。