2018.3.24

イメージの階層化、融合、集積で「見る」行為を問う。新平誠洙が個展「DiVISION」で見せる新境地

複数の時間軸や光学原理をテーマに独自の絵画作品を制作、発表してきた新平誠洙の個展が大阪のアートコートギャラリーで開催。ネットワーク社会における仮想空間の生命概念や文化的洞察を取り込んだ新作を発表する。会期は2018年3月27日〜4月28日。

新平誠洙 Diffraction #1 2017 アルミ板に油彩 160×160cm
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 新平誠洙は1988年大阪府生まれ。空間の歪みや分裂に着目し、複数の時間軸や光学原理をテーマに独自の絵画作品を制作、発表してきた。2017年は制作を一時中断し、アメリカ、オランダに半年間滞在。帰国後、その作品はモノクロームからカラーへ転換、支持体もより厚みのない金属板を選択するなど、新たな表現へ移行している。

新平誠洙 Inversion1 #1 2018 アルミ板にアクリル、油彩 90×90cm

 本展では、滞米・滞蘭後の新作を発表。複雑な階層構造のイメージが、波動や分裂のような動きを見せる《Diffraction #1》や、私的な「見る欲求」を融合させた8点組の大作《Division》、時間と空間をテーマに、一画面の中でイメージを連続・集積させた《Inversion》シリーズなどを通して、現代的なイメージ共有のリアリティと、人々の見る行為に対して思索する。