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2016.8.17

デヴィッド・ボウイのアートコレクション、サザビーズで初公開へ

2016年1月に他界したデヴィッド・ボウイはミュージシャンや俳優としての顔だけでなく、アート・コレクターとしての側面も持っていた。そのコレクションがロンドンのサザビーズで11月、「ボウイ/コレクター」と題したセールで公開される。サザビーズ・ヨーロッパの取締役会長オリバー・バーカーは同セールについて「多彩で、自由で、飾り気がない。デヴィッド・ボウイのコレクションは、20世紀最大の創造的精神の持ち主の一人の個人的な世界観を垣間見ることができるまたとない機会」とコメントしている。

デヴィッド・ボウイ
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僕が買わずにいられない唯一のもの、それはアートだ。 デヴィッド・ボウイ

その言葉どおり、デヴィッド・ボウイの約400点に及ぶコレクションの中には、ヘンリー・ムーアやグラハム・サザーランド、フランク・アウエルバッハ、ダミアン・ハーストなど美術史上、重要な位置を占めるアーティストたちが名前を連ねている。

なかでもダミアン・ハーストについては、1995年の『モダン・ペインティングス』誌上で、「僕にとっての同時代作家とは、ダミアン・ハーストだ」と語るほど称賛しており、『ニューヨーク・タイムズ』のインタビューでは「ハーストは別格だ。彼の作品はとても感情的で主観的で、彼自身の個人的な恐怖心ー死への恐怖がとても強いんだねーと深く関わっていて感動的だと思う。浮ついたものだとは全く思わない」とコメントを残している。

ダミアン・ハースト Beautiful, Shattering, Slashing, Violent, Pinky, Hacking, Sphincter Painting 1995 予想落札価格25〜35万ポンド(約3375〜4725万円)©Sotheby's 

 また、ボウイはアウトサイダー・アートやシュルレアリスム、アフリカ現代美術にも関心を持つとともに、エットレ・ソットサスと彼の率いたデザイナー集団メンフィス・グループの作品も集めており、領域の広さが感じとれる。作品の分野も絵画、素描、立体、版画、写真と多岐にわたっているのも特徴だ このボウイ・コレクションについて、遺産管理者は「デヴィッドのアート・コレクションは、個人的な興味から始まり情熱によって形成されたものです。彼は、コレクションの(美術館などへの)展覧会貸し出しを惜しまず、いつでも協力的で、作品を他の人と分かち合うことに喜びを感じてもいました」とし、「特に個人的な思い入れのある作品は、今後も遺族の手元に残ることになりますが、今回の出品作品が、より多くの人に楽しまれる機会を持ってもらうことは何よりだと思います」との談を出している。 オークションは11月10日と11日にロンドンのサザビーズで開催されるが、それに先立ち世界各地で下見会が開催。ロンドンは既に終了しているが、今後はロサンジェルス(9月20日・21日)、ニューヨーク(9月26日〜29日)、香港(10月12日〜15日)へと巡回する。また内覧会は11月1日〜10日にサザビーズ ロンドンで開催される。

ジャン=ミシェル・バスキア Air Power 1984 予想落札価格250〜350万ポンド(約3億3750万〜4億7250万円) ©Sotheby's
フランク・アウヘルバッハ Head of Gerda Boehm 1965 予想落札価格30〜50万ポンド(約4050〜6750万円) ©Sotheby's