ジャン=リュック・ゴダール ジャン=リュック・ゴダール

Jean-Luc Godard

Jean-Luc Godard

ジャン=リュック・ゴダール
『シナリオ』制作ノート レプリカBOXセット

CONCEPT

時代を超えた美学と革新的な映像表現を追求し続けた巨匠ジャン=リュック・ゴダール。
2022年9月、彼が自ら選んだ死の前日まで撮影された遺作『シナリオ』は、モンタージュ技法による18分の本編と、ゴダール自身が制作ビジョンを語るドキュメンタリー映像『シナリオ:予告篇の構想』の2部で構成されています。
ゴダールは、2018 年の『イメージの本』以降、作品制作の過程で何冊ものノートを作成していました。それらは彼自身の手によって書き記され、彩色され、写真や文章を組み合わせたコラージュによって構成されています。
この度、オリジナルの質感と構成を限りなく忠実に再現したノートのレプリカと解説書を特別仕様のボックスセットとしてお届けいたします。

"シナリオ(Scénarios):5冊のノート"

ジャン=リュック・ゴダールが自身最後のプロジェクトとなる『シナリオ』のために制作した5冊のノートを、できる限り忠実に再現した1,000部限定の初版本。
映画『イメージの本(原題:Le Livre d'image)』(2018年カンヌ国際映画祭スペシャル・パルムドール受賞)の完成から2022年9月に自ら死去するまでの間、ジャン=リュック・ゴダールは、演劇、オペラ、映画という複合的なプロジェクトの作品を構想していました。ところが、関係機関との調整が難航し、それに加えてゴダール自身の肉体の衰えもあり、『シナリオ』は1つの映画作品に収斂することになります。そしてさらに、映画という大掛かりな装置が日ごとに自分の手の届かない存在に思われてきたころ、彼にとっては、プロジェクトの準備のための制作ノートが、死との闘いにおける重要なものとなっていったのです。
コラージュ、引用、アッサンブラージュという技法によってノートを制作する行為は、ジャン=リュック・ゴダールの作品に繰り返し見られてきました。多くの手作業と思考プロセス(構成、分裂、消滅、抹消、加筆と過剰加筆、補足と修正、概算、くり抜き…)で構成されるノートは、作品を創造するための固有の言語を探求するためのツールとなりました。2019年から2021年にかけて、ジャン=リュック・ゴダールは『シナリオ』のために5冊のノートを制作し、それらが最終形に近づくにつれ、彼は特に慎重にデザインしました。それぞれの新しい試作は、『シナリオ』の特性を探求する段階を経た成果であり、以前の作品に複雑さを与えながら完成へと導いています。
紙のフィルム、日の目を見ることのなかった映画の亡霊、「フェイク・ニュース」、「固定観念」、一神教、人間の喜劇…制作ノートは、繰り返されるテーマに取り憑かれています。映画の技術的な装置から解放され、ジャン=リュック・ゴダールは、最後まで、映画のそれとなりうる言語を探し続けました。2021年に撮影され『シナリオ:予告篇の構想(原題:Exposé du film annonce du film 「Scénario」)』と題された映画として発表された36分のシークエンス内において、彼自身による5冊目の制作ノートの緊迫した朗読がそれを示しているでしょう。ジャン=リュック・ゴダールは、死を選択する1週間前に、それまで取り組んでいたプロジェクト(Scénarios、18分)とは異なる『Scénarios』(複数形)というタイトルの作品を完成させるよう指示を出したのです。
この度のレプリカノート(1,000部)は、印刷技術により、限りなくオリジナルに近い形で造形の美しさを再現しています。

このBOXセットの出版と並行して、映画『シナリオ』と映画『シナリオ:予告篇の構想』の上映に加え、オリジナルの制作ノートが世界各地でお披露目されています。スペインのヒホン(2024年10月)を皮切りに、パリのオランジュリー美術館(2024年11月)、ロンドンのインスティテュート・オブ・コンテンポラリー・アーツ(ICA)(2024年12月)にてオリジナル制作ノートの展覧会が開催されました。

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『シナリオ(Scénarios)』制作ノートレプリカBOXセット

『イメージの本』『シナリオ』両作のプロデューサーであり、アーティストでもあるミトラ・ファラハニ氏の指揮のもと、実際のゴダールの制作ノートを限りなく忠実に再現したレプリカブックの特別仕様ボックスセット。
2025年7月、ScénarioプロジェクトをプロデュースしたÉcran noir production(フランス、パリ)により、Le Livre d'Image Éditions(フランス、パリ)を通じて、Éditions RWB(米国)と共同で出版。印刷はGrafiche Milani, Segrate(イタリア、ミラノ)が手掛けたもの。

ナンバリング有/限定1,000部(国内100セット限定)

- 化粧箱: W25.7cm x H32.4cm x D7.7cm
- ノートブック1(2019年5月)の再現:W18.9cm x H23.7cm 22p
- ノートブック 2(2020年7月)の複製:W22.4cm x H29.7cm(ワイヤー綴) 71p
- ノートブック 3(2020年12月)の複製:W21cm x H29.7cm 32p
- ノートブック 4(2021年3月)の複製:W10cm x H15cm 36p
- ノートブック 5(2021年10月)の複製:W21.2cm x H14.6cm 24p
- ブックレット:W21.2cm x H29.8cm p70
・著者テキスト
・マイケル・ウィットによる制作ノートの英訳文
・ドミニク・パイーニ、ニコル・ブルネーズ、ジャン=ポール・バタジアによる制作ノートの紹介文

※商品のノンブル表記と実際のページカウントとが異なる場合がございます。

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BOXセット内容
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特別仕様BOX
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コンテンツ(sample)

PROFILE

ジャン=リュック・ゴダール

Jean-Luc Godard

1930年、フランス・パリに生まれる。50年代から映画批評家として活動し、『勝手にしやがれ』(60)で長編映画監督デビュー。ヌーヴェルヴァーグの旗手として知られ、映画史に多大な影響を与えた。代表作に『気狂いピエロ』(65)、『ウィークエンド』(67)、『万事快調』(72)などがある。晩年まで実験的な映画制作を続け、2022年9月、居住していたスイスで安楽死によって91歳で死去。

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『シナリオ』映画情報

映画『シナリオ』は、2024 年の第 77 回カンヌ国際映画祭でのワールドプレミアを皮切りに、第 49 回トロント国際映画祭、第 37 回東京国際映画祭でも上映された話題作です。昨年日本でも公開された『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』の後に完成し、ゴダールが自ら選んだ死の前日に撮影された映像も収めた本作こそが、真の遺作にあたります。
9月5日から、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、シモキタ-エキマエ-シネマ K2、Strangerほか全国の劇場で順次上映予定。
時代を超えた美学と革新的な映像表現を追求し続けた巨匠が、映画と私たちに贈る最後のメッセージ。

54分|カラー|フランス語|日本語字幕(英語字幕なし)|2024年|フランス/日本|ねこじゃらし