EXHIBITIONS

広重 六十余州名所図会

2021.06.12 - 07.04

歌川広重 六十余州名所図会 備後 阿武門 観音堂 1853(嘉永6) 公益社団法人 川崎・砂子の里資料館蔵

歌川広重 六十余州名所図会 出雲 大社 ほとほとの図 1853(嘉永6) 公益社団法人 川崎・砂子の里資料館蔵

歌川広重 六十余州名所図会 紀伊 和歌之浦 1855(安政2) 公益社団法人 川崎・砂子の里資料館蔵

 川崎浮世絵ギャラリーで展覧会「広重 六十余州名所図会」が開催。歌川広重(1797〜1858)の「六十四州名所図会」全69図を一挙公開する。

 広重の晩年の大作である「六十四州名所図会」は、日本全国68ヶ国の名所を描いた錦絵のシリーズ。広重は出世作「東海道五拾三次之内」で情緒豊かで親しみのある作風を確立し一世を風靡して以降、名所絵シリーズを次々と手がけた。

 風景画の第一人者として名声を築いた広重だが、「六十余州名所図会」においてはそれまでの作風とは違った、斬新な構図や鮮やかな色彩で新境地を開いた。

 本展では、「六十四州名所図会」全69図に、浮世絵師・梅素亭玄魚(ばいそてい・げんぎょ)のデザインによる目録1枚を加えた70点を一挙公開。玄魚の目録の通り、従来は「五畿内七道」の順に展示される同作品を、本展では「見ると旅に出たくなる」をコンセプトに再構成する。

 キーワードは「絶景」「異空間」「幻想」「定番」「旅心」など。バードアイとも評される俯瞰やクローズアップなど、広重の自由自在な視点の変化にも着目しながら、息を飲むような美しい風景や必見の名所を紹介する。