EXHIBITIONS

アドリアン・リース 個展「Across Eurasia(ユーラシアの彼方から)」

2022.09.03 - 09.27

アドリアン・リース Torso 2017

アドリアン・リース Father and Son 2015

アドリアン・リース The Wall(Eurasien) 2018

 2つの展覧会と4部作のパフォーマンスからなる特別企画「Adriaan Rees "Drei Hasen" in Japan」が、ギャラリークトーからスタートする。本展主催はkaneko art gallery。

 アドリアン・リースは1957年オランダ・アムステルダム生まれのアーティスト。アムステルダムと中国・景徳鎮の2拠点を中心に活動している。大規模なプロジェクトや公共空間のための作品で知られているリースは、陶・磁器による彫刻表現を中心に、ほかにもブロンズ、ガラス、テキスタイル、石膏、石など様々な素材を使った彫刻・インスタレーション作品を制作し続けている。そして近年は、写真やヴィデオによる作品、パフォーマンス制作も手がけ、その表現の幅を広げている。

 リースは2000年代以降、アジア、とくに日本、韓国、中国への旅を通じて、これらの文化に強い影響を受けたという。現在、中国の景徳鎮にも居を構え、地元の何千人もの職人たちに混じって、自身のスタジオで制作を行っている。

 本企画「Adriaan Rees "Drei Hasen" in Japan」は、リースの来日招致プロジェクトとして、日本では約7年ぶりとなる新作個展を神奈川と東京の2会場(kaneko art gallery、ギャラリークトー)で開催。同時に、日本では初めてとなる新作パフォーマンスを発表する。

 2会場で開催される展覧会の会期は、「Across Eurasia(ユーラシアの彼方から)」(ギャラリークトーか、9月3日~27日)、「Earth drawings and fire works(土による絵画、そして窯の作品)」(kaneko art gallery、9月16日〜10月10日)。

 いっぽうパフォーマンスは4部作からなる。第一部「Drei Hasen : March from Inaba(3匹の野ウサギ、因幡からの行進)は9月12日に江ケ崎八幡神社で、第二部「Drei Hasen : Quarte mains(4つの手)」は、kaneko art galleryでの展覧会の会期初日にあたる9月16日に行われる。第三部「Drei Hasen : Shiro(White/白)」は、9月10日にギャラリー KTO サブスティテュート・ブルードレス渋谷店で実施。そして第四部「Drei Hasen : Looking for Satellites(Tokyo Nights)(東京の空/衛星を探して)」は9月13日に東京・四谷のTS4312にて催される。

 主催者の金子太郎(kaneko art gallery代表)は次のコメントを出している。

「アドリアン・リースは自分をコスモポリタンだと認識しています。そしてまるで放浪者のように世界を歩き回りながら、自分の作品がユーラシア大陸の東と西、アジアとヨーロッパの文化の対話の架け橋になることを思い描いています。2021年のヨーゼフ・ボイス(1921-1986 ドイツの現代アーティスト『ユーラシア』を主要なテーマのひとつとして制作活動を行なった)へのオマージュとなるパフォーマンスを準備する中で、彼はボイスが日本へのアプローチを完遂することなく旅立ち、やり残した仕事の一つとして今自分の前にあるのだと感じるようになりました。彼はそれを引き継ぎ、新たな形で、自身のオリジナルな形で、今この時代に実現させたいと考えています」。

 展覧会およびパフォーマンスの詳細は、kaneko art galleryのウェブサイトをチェックしてほしい。