EXHIBITIONS

平田星司 個展「袋小路の記憶」

ギャラリー KTO・サブスティテュート
2022.07.16 - 08.09

平田星司 Fall -No.4 2012

平田星司 再現された靴 / Shoes, represented 2017

平田星司 コロッサル / Colossal 2022

 アーティストの平田星司による個展「袋小路の記憶」が、ギャラリー KTO・サブスティテュート(ブルードレス渋谷店内)で開催される。

 平田は1967年東京都生まれ。東京理科大学第2部物理科を卒業後に渡英。95年にブライトン大学美術部絵画科を首席で卒業し、その後、スレード美術学校で絵画を学んだ。事物の表面への関心から皮膜や皮膚としての絵画を制作。オブジェに直接描く絵画的な静物などの作品はカテゴリーそのものを問う、あるいは視覚を宙吊りにする。

 また個展・グループ展での発表の傍ら、2010年に中根秀夫とのユニット「エステティック・ライフ」をスタートさせ、過去3回の展覧会企画を行う。また13年には、香港M+の企画による「Inflation! 」においてタム・ワイピン(Wai Ping Tam)の制作コーディネーターを務めた。

 今回の発表の場となる「ギャラリー KTO・サブスティテュート」は、渋谷神南のモッズファッションショップ「ブルードレス」店内の壁にアート作品を展示していくプロジェクト。平田は以下のステイトメントを出している。

「展示空間であるBLUE DRESS は1960年代、イギリスで花開いたモッズカルチャーに心酔したオーナーがそのスタイルを受け継ぎ自らデザインした服を主に扱っている。渋谷の裏通りの袋小路の半地下に隠れるようにして構えた店は、生地の色や質感なのかどこかノスタルジックな雰囲気が漂う。モッズについては映画『さらば青春の光』(原題『四重人格』、1979)を見たぐらいしか知らなかった。映画は英国政府の国有化などによる産業保護政策で経済不振が進むなか、階級格差を背景にしたモッズの若者たちの日常の光と影が描かれている。もっとも、自分の興味は映画のなかのイギリス南部の海沿いの街ブライトンの様子でもあった。当時、1992〜1994年までブライトンの大学に在籍し絵を学んでいた。玉砂利の海岸を歩く音、冷たい冬の海。

映画の長いラストシーンでは主人公が盗んできたスクーターで白く切りだった崖の上を夕日が照らされた海を背景に暴走する。そしてついに転落する / しないで終わる。2022年の渋谷の街の一角で再び海外の遠く離れた街の日々が蘇るがそれは個人的なことに過ぎない。しかし展示は間接的にその記憶も含めて構成されるだろう(平田星司)」。