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金沢21世紀美術館

21st Century Museum of Contemporary Art

 石川県金沢市に位置する現代美術館。「新しい文化の創造」と「新たなまちの賑わいの創出」を目的に、市民とつくる参画交流型の美術館を目指して2004年に開館した。建築設計は妹島和世+西沢立衛 / SANAAが担当。建物と街の一体化を演出するため、ガラス張りによる正円形の建築構造が採用されている。屋内は無料で観覧できる「交流ゾーン」と展覧会の展示作品を見るための「展覧会ゾーン」の2つに分かれており、「交流ゾーン」にはレアンドロ・エルリッヒの《スイミング・プール》、ジェームズ・タレルの《ブルー・プラネット・スカイ》、オラファー・エリアソンの《カラー・アクティヴィティ・ハウス》といった恒久展示作品が設置されている。

 基本的にコレクションは、1980年代以降に制作された新たな価値観を提案する作品を中心に収集している。これまでの企画展に「ゲルハルト・リヒター 鏡の絵画」「マシュー・バーニー 拘束のドローイング」「オラファー・エリアソン あなたが出会うとき」「杉本博司 歴史の歴史」「ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス」「工芸未来派」「ジャパン・アーキテクツ 1945-2010」「トーマス・ルフ展」など。現代美術のみならず工芸系の企画展が多いのも同館の特色である。

文=中島水緒

参考
金沢21世紀美術館ウェブサイト(https://www.kanazawa21.jp/
『21世紀のミュージアムをつくる 金沢21世紀美術館の挑戦 金沢21世紀美術館コンセプトブック』(美術出版社、2004)