2021.6.22

東京都現代美術館、7月以降もマーク・マンダースを展示へ。特別展示「マーク・マンダース:保管と展示」を開催

東京都現代美術館は7月17日から始まる「MOTコレクション」において、特別展示「マーク・マンダース:保管と展示」を開催すると発表した。

「マーク・マンダース─マーク・マンダースの不在」より、マーク・マンダース《乾いた土の頭部》(2015-16)
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 6月22日まで「マーク・マンダース ―マーク・マンダ ースの不在」(以下、マンダース展)を開催した東京都現代美術館が、7月17日以降もマンダース作品の展示を継続することを発表した。それが、所蔵作品を紹介する「MOT コレクション」の一部として行われる特別展示「マーク・マンダース:保管と展示」(7月17日〜10月17日)だ。

 これは緊急事態宣言によるマンダース展の会期短縮を受けて急遽企画されたもので、作品返却までの間、同展出品作品の一部を東京都現代美術館所蔵作品を軸とするまったく異なる構成で展示する。

パンデミックのために展覧会を閉じなければならなかったのは残念ですが、2回目の展覧会を開くというアイデアは素晴らしいと思います。…観客にとって、また「マーク・マン ダースの不在」展を見ることができた人たちにとっても、この「保管」の展示は素晴らしいものになると思います。同じ作品で2つの異なる展覧会が現代美術館で実現するというのは大変ユニークなことです。(プレスリリースより、マーク・マンダースのレターの一部)

 本展では、東京都現代美術館が所蔵する《椅子の上の乾いた像》と、ボンネファンテン美術館所蔵の《マインド・スタディ》の2点が展示空間全体を挟み込むように両端に展示。そのいっぽうで、「残りの作品をいわば仮に『保管』しているように緩やかに配置する」という構想だ。

「マーク・マンダース─マーク・マンダースの不在」より、《椅子の上の乾いた像》(2011-15)

  空間全体がひとつの作品として構成されたマンダース展とは異なり、この特別展示では「個々の作品がセンテンスを構成する以前の、いわばバラバラな単語の集合体」として作品を提示。同じ作品でありながらもまったく意味が異なるインスタレーションとなる。「マーク・マンダース ―マーク・マンダ ースの不在」を鑑賞した人もそうでない人も、見逃せない展示となりそうだ。

 なお東京都現代美術館では同時期に「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」と 「MOT アニュアル 2021 海、リビングルーム、頭蓋骨」を開催する。