EXHIBITIONS

高嶺格「歓迎されざる者〜北海道バージョン」

クリエイティブスタジオ(札幌市民交流プラザ)
2021.08.27 - 08.29

制作風景

制作風景

前作 歓迎されざる者 2018 ロームシアター京都

 美術家/演出家・高嶺格による展覧会「歓迎されざる者〜北海道バージョン」が、札幌文化芸術交流センター SCARTSと札幌文化芸術劇場 hitaruの共同企画として、札幌市民交流プラザにて開催される。

 ⾼嶺格(たかみね・ただす)は1968年⿅児島⽣まれ。社会のなかで⾒えなくなっている問題を、⾃⾝の個⼈的経験や⾝体的感覚に引きつけつつ、批評的かつアイロニカルに可視化した映像やインスタレーション、彫刻、パフォーマンス、舞台の演出など、多彩な表現形態で作品を発表している。

 本展は、2018年に京都で発表された作品《歓迎されざる者》を、北海道でのリサーチや、様々な人との対話のなかで堀り下げ、「北海道バージョン」として大幅にアップデートしたもの。会場には大きな水盤が出現し、そのなかでテキストの朗読が行われる、言葉と水と光が繊細なバランスで協働するインスタレーションとなる予定だ。

 前作と変わらず作品のカギとなるのは、個人として時代と向き合う詩人や歌人たちの言葉やテキスト。前作では、金子光晴や茨木のりこ、与謝野晶子など、戦争下の暮らしを見つめながら言葉を残した詩人たちの詩が、作品のなかで朗読されていた。今作で読まれるテキストは、札幌市で古書店「書肆吉成」を営み、北海道文学にも詳しい吉成秀夫の協力を得て選定。北海道にゆかりのある作品も多い。

 光が反射し会場全体に広がる水のイメージや暗闇のなかで浮かびあがるオブジェ、朗読される言葉を聞きながら、観客のなかにどのようなイメージが立ち上がるのか、期待してほしい。

※高嶺格「歓迎されざる者~北海道バージョン」は、緊急事態宣言の発令を受けて、8月27日~29日まで会期を短縮(当初の会期は8月27日~9月5日)。詳細・最新情報は公式ウェブサイトへ。