EXHIBITIONS

佐藤可士和展

2021.02.03 - 05.10

佐藤可士和 LINES 2020

佐藤可士和

佐藤可士和 宇宙 1974

佐藤可士和 FLOW 2020

「国立新美術館」 VI計画 2006

グローバル旗艦店「ユニクロ ソーホー ニューヨーク店」屋外広告(工事中店舗の仮囲い) 2006

「日清食品関西工場」トータルプロデュース 2019

 日本を代表するクリエイティブディレクター、佐藤可士和(さとう・かしわ)の過去最大規模となる個展が国立新美術館で開催される。

 佐藤は1965年東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。株式会社博報堂を経て2000年独立し、同年「SAMURAI」を設立。以来、企業から幼稚園や病院、ミュージアム、地域産業まで、多種多様な分野のブランド戦略を手がけ、グローバル社会に新しい視点を提示する仕事は、国内外から高い評価を得てきた。

 主な仕事に、国立新美術館、東京都交響楽団のシンボルマークデザイン、ユニクロ、セブン-イレブン、カップヌードルミュージアムのトータルプロデュースなど。近年は武田グローバル本社、日清食品関西工場など大規模な建築プロジェクトにも従事。文化庁・文化交流使(2016年度)として、日本の優れた商品、文化、技術、コンテンツなどを海外に広く発信することにも注力している。

 伝えるべき情報を整理してその本質を抽出し、誰もが一目で理解できる視覚言語・記号に置き換え、広く伝達する。このデザインの根本原理をはるかに越えた、幅広い分野に適用する佐藤独自の方法論は、デザインの概念を拡張・刷新するだけでなく、文化、経済活動、そして私たちの日常生活にまで影響を及ぼしている。

 本展は、佐藤自らがキュレーションする会場構成で、約30年にわたる活動の軌跡を多角的に紹介する。

 展示は、幼少期のコラージュ作品や初めてコンピュータでデザインした作品などを通して佐藤の人物像に迫る「THE SPACE WITHIN」から始まり、アートディレクター時代の仕事を振り返る「ADVERTISING AND BEYOND」、クリエイティブディレクションを手がけるなかで生まれたロゴと、佐藤の発想のベースとなっているグラフィックデザイン、これまでに携わったプロジェクトを一挙公開する「THE LOGO」「THE POWER OF GRAPHIC DESIGN」「ICONIC BRANDING PROJECTS」、そして、佐藤自身の「アイコン」となっている2つのアートワーク、「LINES」と「FLOW」シリーズの対比的なインスタレーションを展開する「LINES & FLOW」の、6つのテーマで構成される。

 本展は、2007年の開館以来、「さまざまな美術表現を紹介し、新たな視点を提起する美術館」を活動方針に掲げ、デザインや建築の展覧会を定期的に開催してきた、国立新美術館の理念を体現する展覧会ともなる。

※5月10日まで開催予定だった「佐藤可士和展」は、政府からの要請を受け、4月25日からの国立新美術館の臨時休館により中止。詳細は公式ウェブサイトへ。