EXHIBITIONS

都美セレクション グループ展 2020

「都美セレクション グループ展 2020」ちらし画像

松本玲子 At the Window 2018(参考作品)

中島りか Private Property No Right of Way 2017 撮影=Lina Chang(参考作品)

宮本京香 縁の理 2020

「都美セレクション グループ展」は、新しい発想によるアートのつくり手の支援を目的として、東京都美術館の展示空間だからこそ可能となる表現に挑むグループを募り、その企画を実施。2012年の東京都美術館リニューアル・オープンを機に新たに開始された。今年は、応募のなかから選ばれた3グループが展覧会を開催し、絵画、写真、彫刻、インスタレーションなど様々なジャンルの作品を紹介する。

 ギャラリーAでは、齋藤春佳、松本玲子を発起人とし、大木裕之、長田奈緒、高石晃、冨井大裕を参加作家に迎えた「日焼け派」によるグループ展「描かれたプール、日焼けあとがついた」を開催。タイトルにある「日焼けあとがついた」は、「描かれたプール」を実際に泳ぐことはできなくともその作品を制作/鑑賞することで、人の知覚方法が変化することの比喩としてつけられたもの。「日焼け派」の6人は、地下空間にその多くを占めている東京都美術館自体から地上という日常生活の地平に戻った時、体に日焼けあとが残っていることに気づくような経験を展示空間として実行することを目指す。

 ギャラリーBでは、中島りか、ミズタニタマミ、桂川大、中島由貴、安井海洋からなる「tmyc」が、建築家・磯崎新の著書から着想を得た「都市のみる夢」展を開催。人々の欲望によって創造される都市のみる「夢」から住人たちが覚醒する場を主題に、2名の美術作家と建築家による目覚めの場「寝室」をテーマとしたキュレーションを行い、作家たちは現在の東京の見えない本質を浮き彫りにする作品のインスタレーション《夢の蒐集》を披露する。

 そしてギャラリーCでは「東アジア絵画のなかへ―トランスする『日本画』の可能性」展を開催。東アジア絵画研究会が企画する本展には、日本、中国、韓国、台湾など、様々なバックグラウンドを持つ作家たちが参加。多摩美術大学で日本画を学んだ作家たちの作品を通じ、従来の枠組みを超えた「東アジア絵画」という新たな可能性を追求する。