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井上安治生誕160年記念 情景の絵師がみつめたModern times

「ガス燈ともる東京風景」展

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 ガスミュージアムで「井上安治生誕160年記念 情景の絵師がみつめたModern times『ガス燈ともる東京風景』展」が開催される。

 井上安治は1864年、浅草並木町生まれ。15歳で明治「光線画」と呼ばれる西洋画風の風景画で人気を博していた小林清親へ弟子入りする。80年には初作品《浅草橋夕景》を手がけ、以後、東京の風景を取り上げた作品を続けて発表。84年には「探景」の画号で、三枚続きの開化絵や相撲絵なども手がけた。

 井上は、自らの感性で描いた東京風景の作品を多数残したことで知られている。その代表作である「東京真画名所図解」は、近代化する東京の風景を題材に、81年から若くして急逝する89年までのわずか10年余りのあいだに描かれた134点もの作品群で構成。

 本展では、「東京真画名所図解」をはじめとする井上の描いた東京風景から、とくに近代都市東京の象徴であったガス燈がともる作品をセレクトして紹介。ガス燈、建物や橋、鉄道馬車の姿など近代の情景として淡々と表現した井上の世界を鑑賞することができる。